今日はゆっくりとバイオリンさんのメンテナンスデー(^^)
細かい部分の掃除や、今後のライブに備えて弦の張替えをしました。
学生の頃から様々な弦の種類を試してきましたが(今でも冒険しますが)、私のお気に入りでよく使うセットはA,D,G線はオブリガートとE線はゴールドブロカット0.26(E線はゴールドブロカットかピラストロのゴールドだったり気分次第)です。
オブリガートは張り替えた後の安定も早いし、張った直後によくみられる金属音も少なく、柔らかく艶やかで、かつ音量も十分に発音しますが、2.5ヶ月くらいすると音がボヤボヤしてくると感じています。値段の割には寿命は短めなのでコスパが良いとは言えませんが・・・
弦の種類にはガット弦、ナイロン弦、スチール弦などがありますが、これらの素材は弦の芯材であり、弦の基本構造はこの芯材の上に細い金属がグルグルと巻き付けられています。(E線は巻線なしの単線やそれにコーティングしているものが多いですが、巻線のE線もあります。)
オブリガートは大体2.5〜3ヶ月もするとこの金属の巻線が乱れてきます。(使用状況によりその期間は前後します。)
せっかくなので、弦を切ってみました!弦の構造を見てみましょう!!(私もしっかり見るのは初めてかも!)
これはG線ですが、白い芯材がナイロン繊維、そこに2重に巻線が巻かれています。
それにしても弦の種類って多すぎだし、高いしでなかなか全部を試して比較をするっていうのは難しいですよね。
ある程度その弦が持つ性格がありますが、自分の楽器との相性もあるし、音の好みもそれぞれなので”コレがオススメ”っていうのは難しいですが、オブリガートは私の楽器との相性は良いので私は好きです。
柔らかい音が好きな人は一度使ってみても良いのではないでしょうか。
オクターブバイオリン弦
半年前くらいに海外より面白い弦を仕入れてみましたのでご紹介!
オクターブバイオリン弦という従来のバイオリンよりも1オクターブ低い音域が出せる弦です!
この弦の凄いところは2つ!
①低い音が出る!!
②G線が極太!!笑
どれぐらい太いかというと・・・上が通常弦で下がオクターブ弦。
太さの違いが伝わりますでしょうか(^-^;)
太くてテンションが低いので、特にD線G線は弓で摩擦してからの発音スピードが鈍くて、音量も小さいです。なんせチェロの音域をバイオリンで鳴らすのですから、箱が小さすぎます。笑
それから、G線が極太すぎるのでバイオリンの駒の調整をしないとD線に当たってしまいます。
簡単にメリットとデメリットをまとめると・・・
メリット
・インパクトがある!
・誰よりも低い音が出る!
デメリット
・低音のレスポンスが遅い
・低音の音量が小さい
・駒の調整が必要
・弦を張るのでバイオリンが一台必要
・そもそもエレクトリックバイオリン用に開発された弦だそうなので、アコースティック楽器には向かない
ステファン・グラッペリも1981年7月にサンフランシスコで録音されたセッション(”Vintage1981”というアルバムがリリースされています)に8曲中、一曲だけに”I can't get started”いう曲でこのオクターブバイオリン弦をセッティングしたエレキバイオリンを使用しています。
この1オクターブ低い音域が出るバイオリンをグラッペリは気に入ったそうですが、楽器を弾く際の低音域のレスポンスや聞こえ具合に慣れず、演奏ニュアンスを表現するのに調整が難しかったとの記録が残っています。
このレコーディングに使用されたエレキバイオリンは、エレキバイオリンやバイオリンピックアップ等を製造しているメーカー”Barcus Berry社”のものだそう。(Vintage1981のジャケットと同等のものかは不明。ジャケットの写真を見る限り弦の太さは普通のバイオリン弦に見えるので。)
好奇心でこの弦を張ってみましたが、グラッペリが1アルバムの中に1曲だったように、2〜3曲も弾くのも聴くのはちょっとしんどい気がしますね(^-^;)
バイオリンは、やはりバイオリンの音色(音域)が聞きたいと実感しました。
今では便利なオクターバーというエフェクター(機材)が販売されているので、使用回数などを考えたらオクターバー使用で良いのではないかと思います。
でもせっかく弦買ったし、いつかこのオクターブバイオリン弦を張ったバイオリンをライブでも使ってみたいです(^^)