「ジプシージャズ」とは何なのか。
様々な紹介がある中で簡単にまとめると、ジャズというとても大きなくくりの中で、ヨーロッパで(フランスを中心に)発展を遂げてきたジャズスタイルの一つとしての音楽です。
ふと思えば、最近テレビのBGMにジプシージャズが(ジプシージャズ風も含めて)使われることが年々増えて来たと思います。
良く使われるシチュエーションとしては
・”お”料理番組(”お”をつけてしまいたくなる雰囲気)
・おしゃれなカフェの紹介
・グルメコーナー
など、特に女性をターゲットとしている番組(またはコーナー)で起用されることが多いです。
ジプシージャズファンの一人としては、こんなにも日本のテレビ番組から流れてくるような時代になったのかぁ、と嬉しくなる一方で、「ジプシージャズ=おしゃれ」という一言でまとめられてしまって良いものなのだろうか、と真剣に考えています。
BGMとして使われる曲の選曲が良いせいなのか、はたまた演奏している人の雰囲気が良いせいなのか・・・結局は耳あたりだけが良くて、その音楽がジプシージャズなのか、ポップスなのか、何なのかが曖昧に感じるなぁ、とテレビを見ながらふと思いました。
◯◯音楽の”文化”が拡がるために、様々な場所で曲が使われたり、様々な場所で演奏されたりなど、多くの人の耳に届いて「あぁこれが◯◯って言う音楽なんだ〜」と知ってもらうことは大切だと思うのですが、その聞こえてる音楽が一体何なのかが伝わっていなくては、拡がるはずの文化も拡がらないのではないかと思うのです。
ところで、数年前から居酒屋のBGMでジャズが流れることが多くなりました。
緊張から解放されて一人になれるトイレの中までジャズが「おじゃましまぁす♪」なんていう具合に、私のプライベートな空間と時間にズカズカと踏み込んでくるのです。(居酒屋のトイレのBGMの音量は店内に合わせずに、別で下げてはいただけないものでしょうか。)
あ、トイレで流れているジャズの話をしようと思っているのではなく・・・
日本のあちらこちらでジャズを耳にする機会が多くなり、ジャズがクールでかっこいい!とか、ジプシージャズがおしゃれ!とか、せっかく耳にしたジャズに何かしらのイメージを抱いてくれた方に、もう一歩好きに近づいていただけたら嬉しいなぁ、と思います。
さらに欲を言えば演奏者としては生演奏の楽しさを知って欲しいなぁ、というのが演奏する者としての願いです。
私が思うことは「これこそがジプシージャズだ」とか「こんなのはジプシージャズじゃない」という話ではなくて、もっと広く、色々なジプシージャズを耳に馴染ませる機会が増えて、自分にフィットするジプシージャズに出会ってもらえたら嬉しいなぁ、と思っています。
今日ここでこの話を完結することは出来ませんが、ジプシージャズを愛する1ファンとして、そして1プレイヤーとして、ジプシージャズを知らない方も、既にジプシージャズが好きな方も、もう一歩ジプシージャズを好きになってもらえるように、少しでもお手伝い出来ることがないかと考える中で、せっかくこのブログがあるので、明日の朝礼のネタにもならないことを、私なりに書いていこう、と思いました。
期待はしないでください(え、してないって?笑)
それから、あくまでも主観的な音楽紹介です。
だから、例えば「この音源の作者は◯◯で、最初の録音は◯年◯月◯日、録音メンバーは・・・」のような、情報をこのブログに書いて紹介するのが目的ではありません。
(そのような情報が知りたい場合はグーグルなどで検索してみてください。世界中にいる専門家が1秒で解決してくれます!)
ジプシージャズ入門者向けの曲紹介として、専門用語はできる限り少なくして、ご紹介できればと思っております。
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さて、前置きが長くなりましたが、今日からの新コーナー!(ジャジャーン!)
私がテレビを見た時に耳にした(BGMで流れていた)ジプシージャズの曲をご紹介!!
「私も同じ番組を見ていて、何という曲なのか気になってた!」なんていう方がいたら嬉しいなぁ・・・なんて。
(BGMに使われていた音源(アーティスト)ではない場合もあるのでご了承ください。)
今日はコレ!
〜やさいの時間〜「牛乳パックでミニ菜園-葉もの ニンジン-」
1/15(月) AM10:15〜10:40
使用されていた曲
”Chez Jacquet”
「おっと、これジプシージャズなの!?」と思ってくれた方がいたら私としてはニヤリ・・・!!
この曲をいきなりこの紹介コーナーの一曲目に取り上げるには、いきなり感がありすぎて迷ったのですが、今日テレビで流れてて聞いちゃったんだもん、しょうがない。
この曲は通称”ミュゼット”と呼ばれる3拍子の曲ですが、ジプシージャズが一つのジャズスタイルとして確立していく過程でこのミュゼットはとても重要なスタイルの一つとなっています。
この「Chez Jacquet(シェ・ジャケ)」という曲はジャンゴ・ラインハルトが作曲した曲です。
Chez(シェ)=家
Jacquet(ジャケ)=人の名前
=「ジャケさんのお家」といったところです。何だか可愛いですね(^^)
今日、番組内で流れていた音源にもアコーディオンが入っていましたが、アコーディオンの音色は弦楽器だけで編成されているジプシージャズよりも、パリっぽさを感じるというか、小洒落た雰囲気を感じやすいのではないかと思います。
このようなアコーディオンが入った3拍子のミュゼットで、パリっぽい雰囲気の音楽が好みの方は「valse musette」と検索してみると、様々な音源が出てくるのでご興味ある方は是非!
というわけで、時たまこんな音楽紹介コーナーもお楽しみに。。。