昨日、11月25日より全国順次公開が始まる『永遠のジャンゴ』の映画試写会に行ってきました。
このブログや私のライブなどではよく登場するキーワードである、伝説の天才ギタリスト”ジャンゴ・ラインハルト”の1943年頃の第二次世界大戦中のパリがナチス軍に占領されていた時代に焦点を絞った作品です。
ネタバレはしないように注意しながら、映画の感想など書いてみたいと思います。
ストーリー
1943年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。
ジプシー出身のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトは、パリでもっとも華やかなミュージックホール、フォリー・ベルジェールに出演し、毎晩のように満員の観客を沸かせていた。まさに音楽界の頂点を極めるジャンゴだったが、一方で、ナチスによるジプシーへの迫害は酷くなり、パリをはじめ各地でジプシー狩りがおきていた。多くの同胞が虐殺され、家族や自身にも危険が迫り、絶望を打ちのめされるジャンゴだったが、そんな中、彼にナチス官僚が集う晩餐会での演奏が命じられる…。
---映画『永遠のジャンゴ』公式サイトより---
感想
今日に至り愛され続け語り継がれる伝説のジプシーギタリスト ジャンゴ・ラインハルトが奏でる音楽がなぜ美しく、哀愁を感じるのか、その音色や音楽の裏に秘められた背景を知る事ができる映画でした。
ジャンゴを知っている人にも、知らない人にも、こういう時代を生き抜いて、今でも愛されそして発展を続ける音楽があることの素晴らしさに気づくことができる作品ではないかと思います。
ネタばらしはしませんが、内容的には色んなことを考えさせられる映画です。
ジャンゴの人生の一部(中間点)に焦点を当てた作品ですので、ハッピーエンドとかそういうことではありませんが、見終わった時にこの映画を観た自分自身がジャンゴの音楽に救われている実感を味わうことが出来るような気がします。
これは個人的感想ですが、今の私たちが生きている現代に起こっている問題に少し重ね合わせて考えてしまいました。
ナチス占領下では、ジャズの原始的なリズムである跳ねるリズム(スウィング)やブルースなどはドイツの文化の偉大さを脅かす音楽とみなされ、徹底的に排除しようとされた時代。しかし、パリでは空前のスウィングジャズの黄金期を迎えていて、兵士も一般市民もジャズを聴きたいとキャバレーに集い、その熱は増す一方でした。
音楽のモダニズム(近代主義)が持つ大衆への影響力の大きさを知っていた当時のドイツ軍宣伝大臣は、無理に排除をするのではなく、それらを逆手に使おうとしていました。
不安を抱える時代に、人は音楽に心の拠り所を求めて、そして音楽を聴けば敵も味方も、地位も関係なく音に合わせて体が揺れてしまうもので、その行為は誰にも止めることができない衝動なんだなぁ、と感じました。
そして、この映画でもう一つ注目すべき点は、映画音楽です!
演奏を担当するのはジャンゴの再来と呼ばれている現代のジプシージャズ界のスターである"ローゼンバーグ・トリオ”が中心となった超豪華メンバー!!
参加メンバーは
Stochelo Rosenberg(solo guitar)
Nous'che Rosenberg(rhythm guitar)
Nonnie Rosenberg(bass)
Costel Nitescu(violin)
Yoann Serra(drum)
Claude Tissendier(clarinette)
Hono winterstein(guitar)
Timbo Mehrstein(violin)
・・・などなど、スクリーンの描写と共に音楽面でも飽きさせません!!
映画サウンドトラックはすでに日本でも発売されていますので、映画公開までにあと一ヶ月程あるので、観る前にイメージを膨らませておくのも良いかと思います!
私は家に帰ってこのサントラCDを聞きなおしましたが、映画を観る前と見たあとでは、またサントラのイメージが変わりますよ♪
一人で見に行くのももちろん良いですが、個人的には2人以上で見に行くことをおすすめします。
そして、映画館に出かける際はハンカチをお忘れなく!!
2017年11月25日より全国にて順次公開の『永遠のジャンゴ』
是非、たくさんの人に見てもらいたい映画です!!
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