どうも、梅雨だから新しい傘買ったのに雨が降らず全く傘を使う場面に遭遇しない川又です。
昔は夕方の時間や土日の朝に近所を歩くとあちこちの家からピアノやエレクトーン、リコーダー、バイオリンの音などが聞こえてきましたが、最近はめっきりそんな音を街中で聞かなくなりました。
皆さんそれだけ音に対して敏感になった。というよりは、テレビ、スマホなどによって、昔以上に朝から晩まである一定量の音量に囲まれている時間が長くなった、もっと簡単に言えば静かになれる環境が少なくなったのではないでしょうか。
家にいるときくらいは静かに過ごしたい!静かにしてくれ!・・・静かにしろって!!
もしかしたら楽器を練習する方の家の近所の人はそんな風に思っている方かも。
私の住居は周囲環境がわりと騒音レベルが高い場所なので、窓ガラスは遮音効果が高めのものが設置してあったり、鉄筋コンクリート(RC)だったりと、環境的には遮音対策がされていて練習しやすい物件ですが、実は楽器可物件ではないので、やはりご近所の部屋の方がうるさいと思っているかもなぁ〜といつも心配しながら練習しています。
それにしても楽器可とペット可物件って少ないですよね〜(泣)
そこで今日は楽器練習(バイオリン)におけるマンションの騒音対策について考えてみたいと思います。
騒音対策の一例
- 防音室を設置する
- エレクトリックバイオリンを使う
- カーペットや遮音カーテンなど音を吸収してくれるものを使用する
- ミュートを使う
①防音室を設置する について
防音室のある生活憧れ!!24時間練習できる!けどかなりお高いので、設置するお部屋の広さとお金に余裕がある方は、この①で即解決!
ちなみに我が家はそんな余裕がないですので、①は却下!
②電子バイオリンを使う について
このエレクトリックバイオリン(サイレントバイオリン)を使う使わないについては賛否両論あるかと思います。
〔"サイレントバイオリン"と言われたりもしますが、サイレントバイオリンいうのはヤマハ(株)のエレキバイオリンの商標です〕
実際このご相談を受けることも多いですが、私の考えを先に言いますと、答えは「オススメしません」という回答になります。
確かに構造上ボディは共鳴しないので、一番音が小さくなって騒音対策になるかと思います。
しかし、私の考えは自分のメインのバイオリンを少しでも多くの時間に触れて、弾きこむことで沢山振動をさせ、楽器を育ててあげて欲しいと思うからです。
最近ではサイレントバイオリンにイヤホンを装着して、ホールにいるようなリバーブ感を楽しみながら練習できるというものもあるそうですが、楽器の重さも違うし、それによって弾くタッチも違ってきます。そこで電子バイオリンで練習したフレーズやシフティングが生楽器に持ち替えた時にそのまま再現できるとは思えないのです。
”騒音対策のためだけにエレクトリックバイオリンを購入しよう”と考えている方にはオススメしませんが、いずれ購入したエレキバイオリンをライブパフォーマンスに使っていきたい!と考えていらっしゃる方は、今後長く活用していけるようなスペックを持ち備えたカッコイイ機種を購入すれば良いかと思います。
③カーペットや遮音カーテンなど音を吸収してくれるものを使用する について
これは基本中の基本ですね。家具が多ければ多いほど、その分音を吸収してくれるので、防音対策になります。遮音カーテンというものも販売されていますが、日中にカーテン閉めて練習するのは、なんだか気分も暗くなり落ち込んでしまいそうです。エチュードなんてやり始めたら、どん底まで気分が暗くなりそうです。笑
音の正体とは発音体の振動であり、その発音体から発生した振動が空気に伝わり、その振動した空気が私たちの耳に伝わって”音”と認識されます。
マンションなどではお隣や上下だけではなく、隣の隣の家や斜め上下の家の音が伝わってくる、なんていう話を聞いたことがあるので、余計にビクビクします。(バイオリンは足音のように直接床をドンドン振動させてるわけではないので、大丈夫だと思いますが)
音の振動を広域で拾ってくれるカーテンやカーペットは必需品と考えます。
④ミュートを使う について
ようやく本題です。まず、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
そして、ここが中間地点でございます。さぁ、どんどんいきますよ〜!
ミュート(弱音器)の種類
色々なミュートが販売されています。
今日は私が持っているミュート6種類をご紹介したいと思います。
ミュート言っても、用途は様々です。
- チューブシリコンのミュート
- 金属プレート
- 金属塊
- ゴムミュート
- 木製ミュート
- 中心は金属で表面は硬めのゴム製
上下2段の左4つ(①②④⑤)は”演奏用ミュート”で、実際に演奏する際に音色の効果として使うのが目的のミュートです。基本的には練習用ではありません。
そして右側2つ(③⑥)が、練習用のミュートです。
今回は、Androidの騒音計アプリを使って、実際にどれくらい音が小さくなるのかを検証してみました!
この練習用だけの検証で良いのですが、一応これら全て測りましたし、最後までお付き合いくださいね。笑
検証環境
- 部屋の窓を閉め、エアコン類は使用しない。室内の騒音平均は20dB
- 使用アプリはAndroidアプリ”騒音測定器”
- 測定者は私。試奏者も私。笑
- 検証方法⑴の楽器と計測器の測定距離は約1m
- 検証方法⑵の楽器と計測器の測定距離は約40cm(一人での操作なので)
検証方法
- まずは何もつけない状態、そしてそれぞれのミュートを装着して、30秒ほど弾く。音域は低〜高まで、右手の強さもバリエーションを加えて。普通に曲の練習をしている想定し、その平均値を測る。
- 次にA線を20秒くらい弾く。右手の強さはチューニングでAを取るときくらいの強すぎず弱すぎずな力で。
■生音の場合(ミュート装着なし)
⑴の検証 75〜80dB
⑵の検証 77dB
⑵の検証時の測定記録
■チューブシリコン素材の場合
使用モデル:Roth-Sihon(ロートシホン)
標準価格:1,200円
⑴の検証 71~75dB
⑵の検証 73dB
⑵の検証時の測定記録
装着感はこんな感じ。
■ゴム製ミュートの場合
使用モデル:Tourte(トルテ)
標準価格:800円
⑴の検証 68〜74dB
⑵の検証 71dB
⑵の検証時の測定記録
装着感はこんな感じ。
■木製ミュートの場合
使用モデル:モデル名不明(木材は黒檀)
標準価格:600円くらい
⑴の検証 71〜78dB
⑵の検証 70dB
⑵の検証時の測定記録
装着感はこんな感じ。
■金属プレートの場合
使用モデル:モデル名不明(金属名も不明)
標準価格:不明
⑴の検証 66〜82dB
⑵の検証 65dB
⑵の検証時の測定記録
装着感はこんな感じ。弾く音域によってとても鳴りが大きくなったり、小さくなったりと振り幅が広いです。
■中心は金属で表面は硬めのゴム製の場合
使用モデル:MUCO
標準価格:2,000円
⑴の検証 60〜68dB
⑵の検証 58dB
⑵の検証時の測定記録
装着感はこんな感じ。
■金属塊ミュートの場合
使用モデル:メイゼル/Wilhelm
標準価格:2,700円(?)
⑴の検証 58〜62dB
⑵の検証 58db
⑵の検証時の測定記録。(※MOCOと同じ数値ですが、各メーターの数字が書いてある下にあるグラフを見ていただければ、MOCOは60dBの上ラインを平均としていますが、こちらのメイゼルは60dBの下ラインが平均となっております。)
装着感はこんな感じ。装着脱着時は楽器を傷つけないようにお気をつけください。
まとめ
一覧にまとめました!(これだけで良かったんじゃないか!?汗)
私は演奏用ミュートは①のRoth-Sihon、練習用は③のメイゼルを使用しています。
もちろん、住宅環境はそれぞれ違いますし、あくまでも我が家での測定数値であり、参考にされるかどうかはこの記事を読んでくださった方の自己責任でお願いいたします。
ご近所には楽器の練習音に寛容な方が住んでいたり、その反対に音に対してとても過敏な方が住んでいるかもしれません。こればかりは運でしかありません。
音というのは人によって不快に思うラインが異なりますので、練習する時間帯等は常識範囲内で行いましょう。
今度は上記の検証の扉一枚挟んだ向こうでの測定実験をしてみたいです。
エレクトリックバイオリンの数値なんかも気になりますね。
以上、長い記事となりましたが、最後まで読んでくださった方に感謝申し上げます。
あぁ、防音室欲しいなぁ。。。