今日はステファン・グラッペリの映像をご紹介!
フランス国立視聴覚研究所(L'Institut national de l'audiovisuel 略称:INA)というフランス国内の貴重な映像を保管する機関で、大量の映像アーカイブを所有し、オンラインで誰でも視聴できる(一部有料)サイトがあるのですが、そちらより。
タイトルはその名も「Stephane Grappelli と… Stephane Grappelli」
タイトルだけ見ると、え!なになに、どういうこと!?と言った感じ。
そしてこちらが映像です!
[Stéphane Grappelli et ... Stéphane Grappelli ]
"Dinah" (1973年3月27日収録)
なな、なんとピアノもバイオリンもステファン・グラッペリ!
もしかして、そっくりさん!?
・・・いや、どうやら合成で編集した映像のようです。
演出も含めて自分とセッションをするってどんな感じなんだろう。
自分を良く分かっている分弾きやすいような、弾きにくいような。。
映像ではお互い顔を見合わせたり、ピアノのソロ中にフィンガースナップを入れたり「イエィ」と言ってみたり。
そんな一人二役をノリノリに演じている姿は見ていて面白い映像のですが、果たしてこの新しい試みはグラッペリの言い出し企画だったのか、それとも番組プロデューサーの視聴率狙いだったのか・・・!?
真実は本人のみぞ知ると分かっていても私の妄想は膨らむばかり。
そんな妄想をもう少し膨らませるために、1973年3月前後(この映像を収録する前後の活動)のグラッペリの音源を集めてみました。
■1973年2月22,23日(パリにて録音)
ジャズピアノの巨匠Oscar Peterson(オスカー・ピーターソン)との共演
"Autumn Leaves"
www.youtube.com
■1973年3月6日 (ロンドンにて録音)
クラシック界の巨匠、バイオリンのYehudi Menuhin(ユーディ・メニューイン)との共演
"These foolish things"
www.youtube.com
■1973年3月?日(USA?にて録音)
ジャズフルートのHerbie Mann(ハービー・マン)との共演
”Mellow Yellow"
www.youtube.com
■1973年3,4月 (パリにて録音)
そしてTRIANGLE-HOMONYMIEというロックバンドとの共演。
"Éloge de la folie"
www.youtube.com
一ヶ月の間にパリ→ロンドン→アメリカ(?)→パリというハードスケジュールで最後はロックバンドとの共演!!
この一ヶ月をやりきったグラッペリの気持ちを勝手に整理(想像)してみると・・・
・心から湧き出る音を響き合わせるピーターソンとのセッション
・アレンジ楽譜と睨めっこだが刺激のあるメニューインとのセッション
・ロックバンドとのセッション
・旅疲れ
それに加え、1970年代はフュージョン音楽が大ブーム。
若者はフュージョンやロックに熱狂し、聴衆は昔のようなジャズを求めなくなった時代。
そして、芸術分野も産業も日々激しくそして目まぐるしく変化(進化)をしている時代。
そこからの3月27日。一人二役セッションの収録日。
私の妄想はまだまだ続く・・・
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それにしても、良く編集されてる映像だなぁと感心。
本当に二人いるみたい!!